割合の問題のはじめ
割合の文章題の問題は多くの生徒が難しいと感じます。
問題練習が不足するため苦手とする生徒が多くなります。
栄翔塾では、200円は100円の何倍ですか?という質問から始めます。
生徒は「2倍です。」と答えます。
(わかりづらい生徒には、100円玉2枚は100円玉1枚の何倍ですか?と聞きます。)
「式はどうなりますか?」とたずねます。
生徒「200÷100」と返答します。
AはBの何倍になるかという問題の式をたてられるようにして、Aの数がBよりも小さくても同じ式で計算していいんだよ、と割合の問題の計算を始めてもらいます。
50円は100円の何倍ですか?という問題を、すかさずやってみるのもよいかもしれません。
この例題を話してあげることで、多くの子供たちが割合の文章題の問題にに立ち止まらずに進めていくことができます。
計算はできるのだけれど
文章題の問題をできない生徒の中に計算はできるのだけどという生徒がいます。
実際平均点以上の得点を取ることができる。
けれど、文章問題などに弱く得点が引き上がらない。
なるほど計算はできるしスピードも速い。
ただ、苦手な文章題の問題が出てくると、突然に問題処理のスピードが極端に鈍ります。
じっくり考えて問題に取り組むことをあまりしてこなかったかもしれません。
家庭では、自分ひとりの状況の中では、その種類の問題は飛ばしてきたかもしれません。
以前の学年で少し時間のかかりそうな問題は解くことを放棄していた可能性があります。
その生徒たちの特徴のポイントは、学習の最優先(学習で一番大事なこと)をテンポよく計算をすることに置いていることです。
そのために、文章題の問題を解くときも普通の計算と同じスピードで処理しようとします。
計算を済ます時間しか一つの問題(文章題の問題にも)に充てることはできない、という感じです。
わかりづらい問題には少し時間をかけなければならないのに、計算問題のテンポで解こうとして、うまくいかないために拒否反応が起こることになります。
本来の学習は時間がかかるものなのです。
時間がかかる学習もあることを納得することが必要です。
文章題の解き方を考えたり、式を作ったり、図形の証明問題の解法を考えたり、角度の問題を解くためには、考えるための時間が必要です。
時間がかかっても放棄しない、考えることが学習なのだと納得することが大事です。
その上で、問題に取り組んで、解答を導いていく(多少時間のかかる)作業を進めていく必要があります。
文章題の問題を苦手にしないためには学年が早いうちから、文章問題に慣れておくのが良い方法なのでしょう。
計算のルールを習得するのと同じように、分からない問題をつくらないようにしていくことが大事です。
分からない問題が出てきたらそこで立ち止まり、分かるためにもがくことが必要です。
算数の文章問題(応用問題)について
文章題の問題を解くことが苦手な子が多くいます。
算数・数学の文章問題が苦手になる原因がどこにあるのか、どこを改善したらよいのか考えてみます。
1. 文章題で使う計算、その学年で新しく習った計算のやり方が身についてい なければなりません。
2. 小数の計算を習ったら、その計算のやり方をマスターできていなければなりません。
3. 分数の計算を習ったら、分数の計算ができるようになっていなければなり ません。
4.問題に小数や分数が含まれている文章問題を、それぞれの計算のやり方が分かっていない状態で解くことはできません。
更に基本が必要です。
文章問題の内容を読み取る力がついていない子が多くいます。
1. 漢字が読めない。
2. 漢字が読めても語句の意味がわからない。
3. 文章が何を言っているのかわからない。
4. 何を求めるかが不明。
5. 問題の内容を絵や図で表すことができない。
6. 計算式を作れない。
文章を読み取る基本ができていないと、文章題は難しいものです。
国語や算数の力が弱い子どもにとっては、文章問題の問題ができるようになるためには、いくつものハードルを乗り越えていかなければなりません。
ただ、学校では一つの単元を学習する期間がありますので、その期間の中でそれまで学習してきた漢字や国語や算数の総復習をやり終えるのは難しいです。
基礎の力が不足している場合にその単元の文章問題をスラスラと解けるようになるのは、結構大変であると思います。
一方、算数、国語の基本ができている生徒にとっても文章問題は難しいものです。
文章問題ができるようになるために、いくつもの問題で練習をするl必要があります。
けれども、学校の教科書に載っている文章題の問題は種類も問題数も限られていますので、たくさんの練習をすることができません。
単元を終えてしまうとその文章問題の練習はすることがなくなるので、練習不足のままその単元を終えてしまうことになることになります。
多くの子が苦手意識を持っている文章問題は、割合、速さ、円の周の長さや面積の問題などです。
基本の問題を意識してたくさん練習する必要があります。
例えば割合の問題はたくさんの種類の問題がありますが、学校で学習する内容はその中の一部です。
それでは、文章問題ができるようになるためにはどのような準備が必要となるのかまとめてみます。
まず、国語の基本ができていなければなりません。
漢字の学習をおろそかにすることなく習ったとこまでの漢字を正しく理解できていなければなりません。
そして問題文の読み取りができて、問題文が何を伝えているかを理解することができる力が必要です。
問題文を絵に描いたり、言葉以外の形で(情景として)イメージできる力があると良いです。
国語と同様に算数または数学についても授業の進み方に遅れをとらず、これまでの学習の内容をよく理解できていなければなりません。
答えを求めるための式を正確に作ることができて、その式の計算が誤りなくできるまで練習しておく必要があります。
過去の国語と算数の学習の蓄積をきちんと積んでおかなければならないということです。
以上のように文章題の問題ができる子は、過去の学習をしっかり理解し、今現在も学習に手を抜くことなく計算のやり方を習得するための学習を継続できている子です。
次に「文章問題ができるための日常の工夫」について考えてみます。
文章問題ができるための日常の工夫
文章題ができるようになるために日常の生活のなかで工夫できることがあります。
学校で習う学習を待っている必要はありません。
分数とか、小数を日常の生活の会話のなかで、少し意識して子どもに対して使うことなどは有効です。
簡単な説明をして
「お姉さんと君とで、同じ大きさでピザを分けたら、2分の1(半分)を食べたことになるんだよ。」とかです。
「お母さんも加わって、お姉さんと君と3人でピザを分けたら、一人が食べる量は3分の1になるんよ」とか、
「お父さんもいるときで家族4人で分けると4分の1になるんだよ」のなどの会話を小学校の低学年の時にすることができます。
子どもは知らずに分数の基本を理解していくことができます。
小学校の高学年の文章題の問題となるような問題も低学年のときに説明できそうな場面がありそうです。
「ドライブに出かけます。今、時速(1時間で走れる距離)60キロです。
120キロメートル離れた場所へ行こうとするとき、何時間でいけるかな。」という問題なら、わり算の計算まで学習したらできてきそうです。
野球を観たり、野球選手がニュースになるときに打率が出てきます。
「このバッターの打率は3割です。」と。
小数や歩合の計算の準備ができるチャンスです。
「打率は歩合で表されている。打席にたった回数が10割、全回数を10で割って、そのうちの3回はヒットを打つというのが打率3割というんだよ。」
少し説明をすれば子どもも分かりそうです。
子どもは小数や割合をまだ習っていないからこちらから教える必要もないなどと遠慮していることはありません。
チャンスを見つけて大人が良く使う知識や計算をどんどん伝えていくことが将来の準備につながります。
スーパーへ行ったときの4割引のセールのチラシもチャンスです。
「もともとの値段は10割、もともとの値段を10にわってそのうちの4つ分の値段を引きますということよ」と説明してあげます。
さらに、「4割引いて残っているのは4割だから、払うお金は4割でいいの。」まで説明しておくと完璧です。