2009年のPISA(ピサ)調査の結果が発表されました。

日本は、読解力で前回(2006年)の15位から8位へ回復し、科学的リテラシーでは5位(前回6位)、数学的リテラシーでは9位(前回10位)と一応学力の低下に歯止めがかかったようです。

文科省はPISAで試される力を高めるための政策を打ち出してきました。

読解力が高まったのは、「読解力向上プログラム」ピサと類似問題を出す「全国学力調査」などを行なってきました。今回の結果はそれらの取り組みの成果です。

PISA調査では、授業で習ったことそのものの知識を答えるのではなく、その知識を使って実生活にどれだけ活用できるのかが問われます。

PISAで試される力を簡単に言えば「社会に出てからも役に立つ力」です。それは大事なのは間違いではないでしょう。

資料から必要な情報をみつけ出すところで終わらずに、取り出した後に情報同士を関係付けて理解・解釈し、自分の知識や経験と結びつけたりする力まで求められます。

必要な情報を正しく把握できない子どもにとってはハードルが高くなります。

例えば漢字の練習が嫌いで、学年で習得すべき漢字の力がついていなかったり、言葉の知識が十分でない場合に、情報や資料を正しく把握することが難しい場合、その先の学習が難しくなります。

ピサ型の力を高めることに重点が置かれるようになると、基礎と基本の学習の時間が減ることになりそうな気がします。

学力が2極化する中、下位層の学習に気配りをしていかないとその差がますます広がっていくように思えて心配です。