中2の国語の教育出版の教科書に内田樹(うちだたつる)さんという方の「学ぶ力」という文があります。

その文の中では「学力」を、
「学ぶ」ということに対して、どれくらい集中し、夢中になれるか、その強度や深度を評するための言葉として使われるべきと説明しています。

そのうえで学ぶ力を伸ばすための条件を3つ述べています。
第一は、自分には「まだまだまなばなければならないことがたくさんある」という「まなび足りなさ」の自覚があること。
第二は、教えてくれる「師(先生)」を自らみつけようとすること。
師は、実際の先生でなくても、亡くなった人でも、街行く人のたたずまいの中にも、見つけることができ、書物でもかまわない、と述べています。
第三は、教えてくれる人を『その気』にさせること。
その場合に大切になることは、「お願いします。」というまっすぐな気持ち、師を見上げる真剣なまなざしになります。

以上の3つをひと言で言い表すと、次のような簡単で、分かり易い言葉に言い換えできるそうです。「私は学びたいのです。先生、どうか教えてください。」と。

この文章は生徒を励ましています。たとえ今学校の成績が振るわなくても大丈夫。少し謙虚な気持ちを持って、学びたいという姿勢がある人であれば、「学ぶ力」のある人になれる。「学ぶ力」のある人であるなら、その力を発揮して自分を変化させ向上させていくことができる。そう言っているように聞こえます。